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日に20分の運動という狂気によってもたらされる健康の是非

こんにちは、健康になろうという女々しい行為に若干の後ろめたさを感じながらも自転車という新たな翼を手に入れた飛べないダンゴムシ 黒田明臣 @crypingraphy です。

先日、ガン検査に引っかかってから医者に日に20分の運動という無茶を言い渡されまして、筋トレではどうかと爽やかに投げかけたところ無酸素運動では意味が無いと一刀両断されまして、有酸素運動という新境地を開拓し始めました。

昨年、体重増を狙って無酸素運動を徹底的に行いカロリーを消費する有酸素運動を人生から徹底的に排除したのもつかぬ間、翻って有酸素運動をしなければならないとは人生の可笑しさに笑わざるをえない。

しかし有酸素運動なんていう時間を空費する行いに身を投じるのは心が痛む。

ということで、週に数回いく渋谷や新宿への移動を自転車にしようかと思い立ちました。ランニングでも良かったんだけども、ランニングよりも膝を高く上げる自転車の方が効果はあるということなので、自転車。

それで、Y's roadとかいうよくわからない自転車屋に行って店員に買うべき自転車を詰問。

・できることなら一切自転車には乗りたくない。
・無茶してもパンクしない強靭なタイヤ。
・風になる楽しみみたいな自転車愛は間違っても抱かない。
・できるだけ疲れたくない。

以上の条件を伝えた上で買うべき自転車を聞いたところ、グラベルロードとかいう聞いたこともないジャンルを明瞭に回答してきたので、オレは持ち前の男気でYESと答えた。

TREK checkpoint という修羅的な荒れ地を走るための自転車らしい。なるほど、山手通りは修羅の道ということ。良いでしょう。

「それありったけください」

他の選択肢には目もくれず気づけばカードから数十万円が引き落とされていて自転車通勤がはじまりました。

自宅からヒカリエまでは大体7キロ程度。車だと交通状況によるものの、20分から40分がかかる。

これをひたすら最近はタイムアタックしています。

もうほんとに疲れる。坂が多すぎる。東京ってこんなに坂あったのというくらい坂がある。坂しかないんじゃないかというくらい坂がある。

アスファルトに染まる前の大地、200年前には田園風景が広がっていたんだろうかと悠久の時に思いに馳せながら、はしる、はしる、はしる。

最も疲れずに素早いルートを探しながらタイムアタック。当初は25分程度だったタイムも

「疲れたくない」

という欲望の結晶のようなピュアな思いにより、自転車移動5回目にして、17分台に突入。

つまり5回の鍛錬により8分間の短縮がなされた計算になる。

つまりつまりつまりこのままの計算でいくと、10回目には9分。15回目には、なんと1分。

そして20回目には、何なら8分間巻き戻る。

9時30分に出発したとつもりが9時22分に現場に到着していることになる。そしてこれは指数関数的に増加していくことになり、一年間継続するとなんと、一度の移動で10時間近く巻き戻ることになる。

9時半に出発すると、つくのは23時30分。

なるほど、さいきんみんなが自転車にハマる理由はこういうことか、若返りの秘訣ってことか

しかしここで大変な問題に気づいてしまった。

例えば19時に仕事を終えて、現場から帰宅しようと自宅に戻る。そうすると自宅につくのは10時間巻き戻り朝9時。しかも当日。

あれ?また仕事に向かわないといけない感じ?

無間地獄。

自転車は辞めよう。





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Akiomi Kuroda / 黒田 明臣
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