撮影案件の進行方法まとめ 保存版 - フォトグラファーガイドブック
おつかれさまです。3月に突入。怒涛の日々が終わり、しばしの平穏が訪れていますがやりたいことは山積みなので、いわゆるウィークエンドと呼ばれる土曜日もオフィスで写真のセレクトをしています。
以前に有料 note で、撮影案件の流れを金額とか含めて書いて欲しいという話があったので、せっかくだし今回はそういう話をしようかなと思います。
マニュアルと書いてますが、素人からいつのまにか広告カメラマンデビューした自分のリアルを実話ベースでお届けします。
はじめに - 点を線にして写真へとつなげた
言われてみればたしかに、自分は流れに身を任せて商業カメラマンとしてのキャリアをスタートしましたが、写真業界のことはサッパリだったんですよね。
雑誌の仕事は写真家のために最適化されているので、もはや請求書すら出さなくても良いような(良いの?)ワークフローが古くから確立されていたりして(全てとは言わない)、言われるがままに撮影して終わりなんですけど、いざ右も左もわからず広告の撮影をはじめてみると、たしかにわからないことは多かったです。
ただ、これまでフリーランスのエンジニア・ディレクターとしてビジネスの世界に身をおいていたことが1500%くらい役立っていて。
見積もりとか、契約書とか請書とかNDAとかいう話になってもはいわかりましたで作れるし会話は成立したこと。三点セットと言われてそれをすぐに用意できること。メールや電話における仕事の進め方とかヒアリングのキモとか、仕事を請けるにあたって円滑に進める知恵みたいなものは一通りあるので慣れるのに時間はかからなかった。
むしろこれまでの行っていた仕事と同じクオリティで進めようとするとオーバーワークになることが多く、相手方にも引かれることがあったり、逆にそれが信頼となって返ってきたりということも多かった。
そういう意味では、エンジニアリングやディレクターとしてキャリアを積んでいたことをクライアントにも伝えながら、写真家としては歴が浅いという、ただの事実を積極的に伝えていったことは正解だったと思う。正直が一番。とは言え誰かに教わったりスタンダードな方法を学んだわけではなく、独学なので、基本的にはシンプルなコミュニケーション。
相手の期待を120%以上で返せるようにする。
これだけ。
まとめると、ミスタージョブズに習い、これまでフリーランスとして活動していた点や、要件定義という点、システム設計という点、対企業における心構えといった点など、さまざまな経験の点を線にしようと試みたわけです。
仕事のスタンス
オレの仕事の流れはシンプルで、直接連絡がくるか、会社に問い合わせがくるか。以上。
色々なところで話してはいますが、基本的に写真の仕事については自分のSNSにおけるプレゼンスは利用しないという方針でやってきていて、制作会社としての会社HPにも必要以上のことは書かないようにしています。つまりSNSで仕事を獲得するという方針ではやっていないんですね。これはなにが良いとか悪いとかではなくて、単純にオレの写真のクオリティはビジネスの世界で求められるかどうかという腕試しをしたかっただけです。
アーティストとして写真を撮るという行為は、個人で勝手にやっていくので何でもよくて。職能、つまりプロとして硬派に自分には実力があるのかというのを社会に問うたということです。なので、すごく普通にただのビジネスをしているとも言えるし、仕事以上のものではない事も多いです。
ちょっと話がそれたものの、SNSから仕事が来るという流れはないです。一見さんのクライアントをのぞいて大抵は直接連絡がメールか電話、ホームページから問い合わせでくることが多いです。
今回の例
今回取り扱う例は、記憶が新しいうちにということでつい昨日撮影した案件でお話します。内容は雑誌のタイアップ撮影。表紙は長澤まさみさんで、日経新聞折り込みのタブロイド誌。
1. 打診
確か一月の中頃。取引先(某新聞社兼代理店)が、昨年末に30代~40代の女性に向けた雑誌を試験的に発売していて、その表紙だけ撮影させてもらったのですが、今回その第二弾をもう一度制作しようということで、企画しているという相談。
「また表紙をお願いしたい。それと別で相談なのが、もし実施となった場合に、中面の掲載クライアントを獲得すべく動いているのだが、モデルのキャスティングやスタジオの手配などが可能か」
という相談があった。モデルのキャスティングもスタジオの手配も、よくあることなので普通に「全然やりますよ」ということで、その場は終了。
2. 相談
一ヶ月後、その打診も忘れてた頃。
「やることが決まったのでお願いしたい。だが掲載クライアントがまだ全ては決まっていないのでボリュームはわからない」
期間はちょうどCP+数日前とかで、全然時間もなかったのでヤバすぎたもののチームプレイでカバー出来ると踏んで受託。
この段階で、その案件は対応可能なのかどうか判断できる内容を確認します。相手側の情報が不透明で不明な点がある場合は、その結果しだいで我々が対応出来るかどうかも変わりますという点は伝えてリスクヘッジしておきます。
判断するポイントは主に二つ。
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