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フリーランスとして働きたいすべての方へ

現金は捨てて良い!見積の計算方法!資産は分散!自己投資を惜しまない!お金の管理方法!実績の重要性!婚活!

こんにちは、黒田明臣(@crypingraphy)です。

脱サラしてフリーランスになりたいという人から学校を卒業してフリーでやっていく決意をする方まで色々な地球人がいらっしゃると思いますが、そういった方々にフリーランス経験しかない人間に伝えられそうな何かをいくつか書いてみます。

普段ウェブ上では写真に関する何かばかり発信しているのですが、今回こういう取り組みをnoteではじめた理由はいくつかあります。

noteは、ただの日記プラットフォームではなくクリエイター支援といった側面もある点がすごく気になっていて。そういった視点で自分に何が書けるか考えてみた結果、フリーランスとしての生き方を伝えるのはnoteとも親和性が高いのかなと思ったのです。

もう一つは、周りに脱サラしている人が増えてきたという点です。脱サラしてフリーランスのデザイナーになったりエンジニアになったり、フォトグラファーになったり。特にフォトグラファーというのは、フリーランスである場合が大半なので、若くプロとして活動しはじめた友人たちに色々質問されていく中で、自分にとって当たり前だったことは世の中的に当たり前ではなかったんだなと今さら認識しはじめたとという点。

先日、フォトグラファーの保井崇志さんが掲載していたフリーランスフォトグラファーの教科書。

これがまた為になる内容でした。今回の記事を書こうと思った大きなきっかけでもあります。

自分は保井さんのように親切な文章は書けないので、そういうのは保井さんや他の方に期待してください笑
それと写真に関しては、商業フォトグラファーとしてやりはじめて一年程度なので、大した事は言えません。
あくまでフリーランスとして働きたい全ての人へ向けて、自分がこれまでの経験で役立ったと感じている内容について共有してみます。

ちなみに、これはフリーランスになることを推奨しているわけでもなければ、否定しているわけでもありません。あくまで、単にフリーランスとして生きている側からのちょっとしたアドバイスです。


これからフリーランスとして働きたいすべての人へ

先日、noteでこのような記事を書きました。

自分は、これまでの十数年間ウェブディレクター、ウェブエンジニアという肩書きで21歳の頃から会社に所属することなく食いつないできていて、大きく成功しているわけではないですが、ありがたいことに稼ぎの面では喰うのに困らずやってこれたという程度の実績だけはあります。具体的には主にウェブサービスの新規立ち上げなんかに携わってきました。TSUTAYA DISCASなどの動画配信や決済システムに携わったり、決済代行会社とのあれこれやキャリア決済の導入、モバゲーなどに代表されるプラットフォームにおける仮想通貨の管理や決済、GEOやJumble Storeの買取システムを立ち上げたり。その他にもいまは消えてしまったウェブサービスや名も無きサービスをたくさん設計したりしてきました。といってもエンジニアとして特別優秀なわけではなかったので、普通にやっていたら当たり前のレベルという内容です。

いまはだいぶ時代が変わったのと、数年間写真に没頭して昨年からフォトグラファーにキャリアチェンジしてしまったのでシステムアーキテクチャに関してどうこう言えるレベルにありません。あの決断は断腸の思いでした。

大変です、話が逸れかけています。

フリーランスで働く意味

自分は特に強い思いや決断があってフリーランスになったわけではありません。たまたま一円起業で零細企業を立ち上げた時に、世の中の仕組みや自分のいる業界を知って、これは社員として働くよりもフリーでやっていった方が良いと当時、判断したからです。
その理由は色々あるのでここでは詳しく書きませんが、一番大きかったのは、仕事をしていく中で学ぶスキルや自分に残っていく知識は、応用も再利用も可能だという点です。

自分はこれを、「手に職をつける」という言い方をしていますが、手に職を持った人間は組織に依存することなくやっていけると考えているからです。

一つの会社に残って消費されていくよりは常に新鮮でおもしろいプロジェクトに、自分が歩みを止めさえしなければ取り掛かっていけるという点が大きかった。

多くの会社は副業を就業規則で禁止しているので、会社に必要なことしか学べないしできません。そしてひどいときにはその学びは他の会社では活かせないかもしれない。しかし専門的な何かが自分の中に保存されていれば何処でも戦えます。もちろん身の丈に合った戦いでなければならないですけど。

人生の大半の時間を捧げる仕事に、そういった冒険や自由を求めたい人は、フリーランスに向いていると思いますよ。これから述べるリスクや難しさもありますけど。ただ、仕事以外の時間を如何に集中して楽しく割り切り遊んでいくかという事にウェイトを置いている人は会社員が良いと思います。

また、世の中には、良い企業がたくさんあります。従業員に対してチャレンジを許容したり様々なアイディアを実現させるサポートをしてくれたり。もし安定を求めつつも、前述の冒険や自由を求めたいという欲求のある方は、そういう会社を探して就職・転職するのが良いですね〜!もちろんそれなりの実績・スペック・学歴を求められるケースが多いですが。

長くなりました。具体的な内容に入りましょう、フリーランスとしてそういった様々な企業や中間の業者と取引をしていく中で学んだ姿勢や、ライフハックのようなTIPSをご紹介できればと思います。

全ては自己責任

第一に、この意味がわからない人は辞めたほうが良いでしょう。

もちろん時代性や社会状況、不運によって追い込まれるケースもありますけど、それすら自己責任と解釈して前に進んだり糧にするだけの器量は必要だと思います。

飲み会で会社の愚痴を言って心の平衡を求めているようなタイプの方には向いてないと思います。フリーランスになってしまうと、そんな愚痴は決して言えませんよ〜。

クレジットカードを利用しましょう

現金は捨てて良い!それは嘘です。
しかし出来る限りクレジットカードを利用しましょう。
そしてできれば二枚持ちましょう。
合わせて銀行口座も二つ持ちましょう。

そして個人用の銀行口座と、事業用の口座にわけます。
二枚のクレジットカードをそれぞれ、個人用と事業用に設定します。
そして、あらゆる支払いは可能な限りクレジットカードにします。

理由は二つあります。

一つ目、信用を積み重ねる。

クレジットヒストリーを強化。
クレジットカードの使用というのは、平たく言えばお金を借りて返すということです。
この使用した履歴というのは、数年間信用機関に補完されるのですが、それが様々な場面で役に立ったりします。

個人でも法人でも、銀行でお金を借りて返すということをやっていくと、今度は銀行側から借りないか?というアプローチがくるようになります。銀行はお金を貸すのが仕事なので、「この人はお金を貸しても大丈夫だ」という信用をもってもらえると、お金を借りれなくて苦労している人たちがいる中で一歩優位に立てるわけです。日本人はお金を借りることに抵抗があるので、普通に会社員をやっていると中々想像できない価値観かもしれませんが。
かくいう自分も、特に銀行からお金を借りているわけでもなければ、そこに抵抗の気持ちがあるのでよくわかります。しかし借りる借りないは別にしても社会的信用を積み立てていったほうが良いのは言うまでもないことです。

何故なら、「この人は借りたお金を返せる人だ」という証明になるからですね。信用情報機関として代表的なCICなどでは、自分の信用情報をPDFで取得する事もできます。クレジットカードの審査やローン審査などでも照会される情報です。

こういった信用情報が、フリーランスとしてやっていく中で、先程お話したように大きくビジネスを動かそうと銀行からお金を借りたりする際に役だったりするかもしれません。いまは評価経済と言われたりしますが、こういった側面は昔からあったんだと思います。

例えばアメリカでは、クレジットカードヒストリーというのは日本以上に社会と密接しているそうで、それを風刺したドラマなんかもやっているそうです。

どんなクレジットカードが良いのか?については、興味のある方がいれば別の機会に紹介しようと思いますが、クレジットカードもよく選びましょう。

二つ目、管理が楽。

現金よりも管理が楽。
みなさんもご存知だと思いますが、カード会社が用意している管理サイトで使用した履歴がダウンロードできます。
そして同様の情報を定期的に取得して、後述するMoney Forwardのようなサービスで包括的、統合的にお金の流れを把握して一元管理することも可能です。

やってみるとわかりますが、銀行からお金をおろして小口現金を管理するというのはかなり大変です。

例えばコンビニで事業に必要なペンを一つ購入しなければならないとなった時に、現金で支払いますか?

カードで支払ったほうが釣り銭をもらう手間もなければ、小口現金出納帳に記帳する手間もありませんよ。

どちらが良いかは一目瞭然です。ラーメンと一緒にビールを頼みたくなるくらい確定的に明らかです。

エンジニアとしてお金を取り扱う仕事を長いことやってきているのですが、日本はどうしようもないくらい現金主義です。それでいてビットコインのような暗号通貨が流行っているのだから笑ってしまいますが、とにかく現金。しかしその現金が安全という思い込みは迷信です。クレジットカードは怖いものという謎の認識はただの思考停止ですよ!いや、たしかに思考停止して使うと危ないんですけど。しかしそれは現金においても同じことですよね?

まあこれは話しだすと長いのでこの辺でやめときましょう。


お金の管理サービスを利用する。

Money ForwardFreeeといった家計簿サービスを利用してお金の管理をしましょう。

実のところ、これらは家計簿サービスなんてものではありません。フリーランスの強い味方です。これによって、先程作成をおすすめした二つの銀行口座とクレジットカードの管理をします。自分は個人的にMoney Forwardを利用している(UIが好き)のですが、どちらでも良いです。

Money Forwardが展開しているサービスを例にすると、大きく三つ、フリーランスで活動するにあたり役立つものがあります。
役立つなんていうレベルではないかもしれません。時間や脳みそを使うパワーも削減できます。エコですよ。
Appleの新製品くらい画期的です。

一つ、その名の通り、Money Forward

個人と事業を合わせたお金の流れを管理できます。
さらに細かくお金の使途を定めている人なんかは食費や通信費などに合わせて予算管理なんかも可能です。
銀行やクレジットカードの情報を取得して、計算してくれるので何もする必要はありません。

今月は◯◯万プラスだったなあ、とか、使いすぎてしまったな〜とか、そういうのが一目瞭然。プロメテウス。

二つ、確定申告から管理会計まで瞬殺、MF確定申告(MF会計)

つぎに、確定申告までを行えるMF確定申告。
これはMoney Forward同様に、カード情報を吸い上げてくれます。
ここでは、事業用の口座とクレジットカードのみを登録しましょう。
そして事業用に現金で支払ってしまった(何故クレジットカードを選ばなかった!)、小口現金による支払いを手動で入力しましょう。
小口現金が、事業用と個人用どちらの口座から出たかによって実残高に差が生まれますが、きちんとやるなら事業用口座から小口現金を引き出してそのお金のみを事業経費の現金として使いましょう。
(小口現金というのは、銀行から引き落とした手元にある貨幣のことです。)

自分がフリーランスになった当初は、当然こんなサービスはなかったので領収書の入力などをエクセル管理していて確定申告に数日かかるなんていうことも普通でした。それが今では一日もかからない!タイムイズマネーです。

三つ、見積書や請求書、領収書の作成から郵送まで行える、MF請求書。

これも素晴らしいです。
昔であれば、表計算のために生まれたエクセルを何故か請求書作成ソフトウェアとして使用して見積書や請求書なんかを作成していました。
これは言わば、Photoshopで請求書作ってるようなもんですよ。

しかも多少お金はかかりますが、面倒な郵送までしてくれるのだから言うことありません。
これはつまり、取引先の住所や電話番号も管理できるということです。

まとめましょう。

・請求書や見積書も簡単に発行できるし一覧で見やすい。
・定期案件も複製すれば余裕。
・確定申告に必要な情報を自動で集めてくれる。
・一度登録した内容は記憶してくれるので楽。
・小口現金についても手軽に管理できるようになっている。
・財務会計と管理会計、両方の視点で把握できる。


資産の分散管理

資産管理、これはちょっと打って変わって資産の管理です。
いまはもう退職金を出している会社も少なくなってきているようですが、自分が21歳当時フリーランスとしてもっとも弱い部分が退職金のなさだと強く感じたことに起因しています。
会社員の場合は、それなりの企業に勤めていれば退職と同時に数千万くらいもらえます。

しかしフリーランスはそれがない。
貯蓄していくしかないわけですが、どうせ貯蓄するのであれば少しでも高い利回りで寝かせるほうが良いです。
その為に、確定拠出年金や小規模企業共済といった制度が用意されています。あとは最近、といっても少し前ですが、NISAなんかでも良いかもしれません。

大体20年近く寝かせれば元本割れはありません。いまの定年が65歳だとしたら、45歳からはじめても大丈夫ということですね。まあ意図せぬ早期リタイアを考えるとリスクなどもありますが、30代であれば大丈夫でしょう。ただ早ければ早いほど良いです。受け取った際の課税問題などもありますが、これは退職金もそうです。(課税の仕組みは違いますが。)

しかし個人的にはこれらはいずれも利用していません。
それはNISAをのぞいていずれも戻ってくるのは円だからです。
受け取る時代で物価の価値がどうなっているのか分からないので、為替相場のリスクにも強度をもたせるために、自分はUSDで毎月分散して積立しています。これはもうすぐ10年くらい経ちますが、このまま続けると最終的に4000万くらいになっている予定です。

ロボアドバイザーによるサービス

いまは、ウェルスナビや、テオ、そしてフォリオといった資産管理のためのサービスも用意されています。これまでは保険会社がこういった積立投資のようなサービスを用意していたのですが、自動で投資先を選んでくれるようなものですね。もちろんリスクはありますが円だけで持っているのもリスクですよ!

個人的にはこれらのサービスはまだ利用していませんが、利用してこのnoteで成績を公開してもおもしろいかな?なんて考えています。

とくにフォリオは、LINEと資本業務提携を先日発表しましたね〜

これは楽しみです。

円のみにとらわれずリスクを分散、そして程よく許容しつつ自分に合った資産管理をおすすめします。


タイムイズマネー

まずは「時は金なり」ということです。
よく様々な職種の脱サラ人たちに質問されるのが、「仕事の依頼が来たのだけど、見積もり金額どうしたらいい?」
たしかに悩む。しかし個人的には時間を使うことによる収入については、相手の予算や成果物の経済規模を無視して自分の価値にのみ焦点を合わせれば意外と簡単だと思っています。

ものすごーく、簡単に言うとですね。

(費やす時間 * 自分の最低時給) + 付加価値 + 実費

以上!

1. 自分の最低時給

自分の最低時給というのは、自分がこれまで専門性を習得するに至った時間や時間を使う事に対する金額で良いと思います。

2. 付加価値

付加価値というのは、プラスとマイナスが考えられますが、専門的な領域であればあるほど、比例したプラスの料金。例えば、ただ写真を撮るだけではなく、再現難度の高いライティングやレタッチ、作品性を必要とする場合などが考えられます。

他にも、ネームバリューによるプラスであったり、インフルエンサービジネスのように拡散力であったりしても良いと思います。あとは、その仕事を自分が行うことによって、自分に還ってくるモノがあるのであれば金額としてマイナスとなる付加価値があっても良いと思います。ここは職種にもよるでしょうし十人十色でしょうね。

業種や案件によってはこういう判断が難しかったりするので、付加価値を含めた自分の時給を定めても良いと思います。とにかく時間を使うのであれば、費やす時間と自分の時給、それに尽きるかと。それなりに妥当性があり説明可能な金額になるので強いです。

逆に言えば、自分にしか出来ない事を増やして付加価値を高めていくというのが食べていくのに大切な要素の一つとも言えますね〜。

ただ、これは大切なことですが、時間を使わないで収益をあげるビジネスモデルを模索していくことも大切です。いまお話したのは、都度取引であり、多くのビジネスで当てはまりそうなもっともわかり易い例ですが、例えばnoteの有料マガジン価格を設定したり広告枠の販売であったりといった見積もりには全く意味をなさないことは明白です。

このあたりは一歩進んだ話になると思うので、また桜の咲く頃に。


自分に価値を保存していく

タイムイズマネーと書きましたが、これは自分自身に対しても言えます。

一般会社員が、古き良き日本企業のように年齢とともに年収があがっていくことを考えると、フリーランスもそうでなければなりません。
特に、フリーランス最大のリスクは加齢による契約減少のリスクではないかと思っています。会社員が解雇されることはそうないですからね。
会社員は、一応企業に所属することで将来40年スパンにおけるある種の安心感を得られるわけですが、フリーランスはそうもいかないですよね。
加齢で能力が若者と同程度、もしくは同程度より多少上程度であれば、取引先も将来性のある若者を選ぶのは自明ですから、つまりこの点については、非常に気を配る必要があるというのが持論です。

とくにフォトグラファーをはじめとしたクリエイターのような人気商売は尚更じゃないでしょうか

自分がこの考えに至ったのは、エンジニアとしてですが、クリエイティブなフィールドに足を踏み入れて、一層その気持ちが強まりました。

それに対する個人的には答えは、「自分に価値を保存していく」ということです。

とにかく自分への投資を怠らない、使った時間は全て自分の血肉になるような日々を歩むという意識。
なので、ゲームとか身にならないことに時間を使うの反対派です。若いうちにコミュニケーションのあるオンラインゲームをやることはありだと思います。自分も相当やってましたが、あれは良い経験でした。しかしスマホでポチポチやるようなゲームであったり、黙々と一人で戦い続けるテトリスみたいなゲームに時間を費やしても自分へのリターンは殆どありません。

自分は10代の頃、まあ今もそうですが漫画がわりと好きでよく読んでました。ただ買うのはもう辞めました。(ハンターハンターを除く)。時間の無駄なので。いまは息抜きや発想のインプットに読む程度です。

休みの日にぼーっとするという事もありません。必ず何か明日へつながることをしていたい。

大好きな映画ですら、時間が惜しいと思ってしまいます。一つみるだけで2時間近くは拘束されるわけですからね。月に多くても二本程度と決めています。しかしこれは病気です。ここまで思う必要はありません。

もちろんテレビもみません。一年間で大晦日に1時間半みる程度です。

TwitterやFacebookやInstagramといったSNSも大体PC前にいれば開いているのですが、タイムラインを遡ったり、それに時間を費やしたりということは殆どありません。(ただこれらは適切なアンテナを貼っていれば大切なインプットになるので否定するつもりはありません。)
代わりに、時間があれば常に好奇心のそそられる何かを探したりしています。

自分に何か価値の残ることに対して時間を使うようにしています。

それは友人との対話でも良いですし、学習でも良いですし、広い視野で価値が残ることを判断して、時間を使うという感覚ですかね。

しかしそれもやりすぎると、自分のように部屋の掃除をしない正当な理由にすらなってしまうのでメリハリは大事です!

これらの事を自分は特にストレスなく不満もなく当たり前のように感じて日々生きていますが、それが苦痛だと予想できるのであれば、よほどの才能がない限りフリーランスは向いていないと思います。

休みの日は、テレビかゲームでも楽しみながらゆっくりして、仕事の日は仕事。というような生き方がフリーランスだと出来ない訳ではありませんが、退職後のライフラインなどもきちんと設計していないと、ちょっと無謀な休日になっちゃいますね。


マルチタスクに慣れる

フリーランスとして働いていると、オンとオフを区別するのが一般的な会社員と異なり難しくなります。酷くなるともはやこれはもう仕事とプライベートの区別すら付きません。そうするとどうなるのかというと、忙しいのか忙しくないのかすらわからないという状況に陥ります。

これには二つの側面があり、一つは精神的に異常をきたす場合があります。行き着くところまで行くと、ダークナイトのジョーカー的な人間に感じになっちゃうかもしれません(ダメ!ゼッタイ!)。今のところそのようなケースはお目にかかっておりませんが。
しかしそれでもやはり友達とお酒を飲んだり食事をしながら、心の何処かで帰宅後にやらなければならない作業について思いを馳せている。これはおそらく知的生命体として健全な日々ではありません。

幸い、自分はそういった事態になってもストレスを感じることなく、気づいたら腎臓や顎下腺に石ができている程度ですが、これで滅入ってうつ病的なサムシングに突入したりや無形の何かに狂信的信仰をもってしまう人を何人も見てきました。

先程の話と矛盾するようですが、遊ぶ時は切り替えて遊ぶ。働く時は切り替えて働く。これ大事です。

それにはマルチタスクを意識した切り替えが不可欠だと思っています。
ただでさえ、フリーランスとして生きるということは、自分の業務範囲以外のことを適正の有無関係なくやらなければならなかったり知らなければならなかったりします。

確定申告がその典型ですね。

「苦手だけどやらないとやばいな〜」と思ってきちんとやる人なら大丈夫です。しかし世の中には、「苦手だけどやらないとやばいな〜、でも注意されるまではやらないでもいいか」と先延ばしにしたりやらなかったりする人もいて、後者は気づけばエマージェンシーな状況に陥るということも少なくありません。フリーランスの場合、基本的に自己判断なので誰も注意してくれません。

また、会社員であれば、営業職や事務、制作などはそれぞれ担当が部署ごとにわかれていますが、フリーランスはこれ全部やることになるわけですからね。マルチタスク能力やマルチスキルが必須です。

ただ、これが出来るということは非常に強いです。どこかの会社に中途で入るという場合にも生きるかもしれませんし、組織を離れても生きる能力です。これが保存された価値。強い。

そして、前述のMoney Forwardなどのように、これをサポートする世の中の仕組みは既に誕生しているわけですから。

フリーランスの強みです。

言われている以上の成果を出す心意気

我々も消費者として日々感じることが多いと思いますが、大きな組織というのは小回りの効かないケースが多いです。

例えば組織化された企業であれば、あなたと話している担当は決裁権を持っていない場合が大半です。つまりその人に見積もりをだしても、「社内で稟議を通します」と言われて待たされることもめずらしくないでしょう。

しかしフリーランスは組織と比べて、あなたに決裁権があり自己決断がその場でできます。これ大切だと思います。

自分の場合は、クライアントに頼まれた事を100%やるのは当たり前ですが、プラス何かコスト内で出来ることはないか、提案できることはないかと自問自答するようにしています。

これが大企業であれば、そういったサービスをするのに、上長の目を気にして許可をとってというプロセスが発生するので面倒です。面倒なことは人はやらない傾向にあると思うんですけど、フリーランスであれば即答で「いいですよ、やっときますよ〜」と言えちゃうんです。

もちろん時間的なコスト管理をしっかり出来た上でですけどね。

組織の歯車のように、言われたことだけをやるのではなく、自身がエンジンなので相手が求めていることを察して120%で返せるようにすると継続的発注につながったりします。

拝金主義に陥らない

これも気をつけたい点です。

フリーランスの人は常に、その金額が適正だったのかという問題を自問自答することになると思います。

そこで悔しい思いをしたり後悔の念が残ったりすると、次は高くと考えてしまったり、少しでも値段を高くと考えることも多いでしょう。特にみるのが、その領域に対してビギナーであるにも関わらず相場の金額を求めてしまうというケース。

これは、逆の場合に自分の価値を下げすぎてしまっているケースもあるので、よく「きちんとお金をもらいましょう」という意見もみますが、個人的には冷静に中長期的なアクションを踏まえて考える必要があると思っています。

無償が良いとは言わないですよ。
ただ、少ないと感じる金額だったり、誰かと比べて少ない金額であってもそれが自身の実績や経験、ブランディングやプロモーションに繋がるのであればやるべきだと自分は思います。それで信頼を勝ち取れば結果は後からついてきます。とくにフリーランスなりたての人材を企業が取引する場合、それは試験的な取り組みであるケースが少なくありません。試験的な契約であれば明確な成果が見えないのでそこまで企業もお金を出してはくれません。しかしそこで信用を積み重ねれば、良いのです。


手前味噌ですが、自分の場合は頼まれてもいないのに自分の時間を使いシステムを作って、それを最終的に企業に販売したりしていました。これはただ実績が欲しかったから作っていたものですが、販売可能なコンテンツだったのでうまくいきました。ただ、これが売れなかったとしても一切の後悔はなかったと断言します。この程度には実績が大切だと認識しています。

仮に販売・再販が不可能なものであっても作った自分には、制作したという経験が価値として保存されますしね。さらに、それが例え相場より安かったとしてもフリーランス初期状態でもっとも必要な実績ともなります。

写真で言っても、個人作品で素敵な写真を撮っていて、企業からオファーがあり仕事になるというケースは今だと少なくないと思います。(自分は全くありませんが笑)

しかし、継続的に長く食べていくためには、実績がなければ営業的なアプローチも提案もできませんし、その確度が全く違います。物理的にそういうアプローチが可能でも、それは根拠のないものになってしまうでしょう。仮にうまくいってもそれを成功したと喜ぶのはちょっと違いますもんね。

実績というのは大きなものでなくとも良くて、でもなんでもよくはなくて、成果がきちんとしていて新規クライアントにそのとき求められているような何かです。

プロカメラマンになるために実績がほしいから声かかるのを待とう

というスタンスで長くフリーランスでやっていける人はごく僅かでしょう。ですが、逆に言えばそうではなく実績を獲得するための働きかけをしてやっていけば、そういった選ばれし者たちでなくとも継続的にやっていけると思います。ここはお金よりも大切なことを判断をしなければならない部分です。

そしてそして、何よりも「自分はこれを仕上げることが出来た!」という自信は何物にも変えられない経験なのです。それによって、見積もりであれこれ悩んだりといった事も次第になくなるでしょうし、クライアントからみても自信のある姿というのは心強いものです。(根拠のない自信はNG!)

いまは、SNSでそれなりに知名度や個人評価を獲得してからフリーランスになるというケースも多いでしょうから、上の例はあまり歓迎されないかもしれませんが、自分が観測している範囲では、世の中大半の既得権益をもつ、言い換えれば前時代的な企業「はSNSの人間はSNSの人間」という枠組みでしか判断されないという壁も感じています。

これはまた別途話す機会が必要そうなので深入りしませんが、カスタマーからの評価よりも企業との実績が勝るというケースは多分にあるということです。あ、それらのケースが拝金主義だと言っているわけでもありませんので >.<

話を戻しますが、実績を大切にしましょう。

一つ付け加えておきます。

よく言われる「一度安く請けたらあげるのは大変」というセリフですが、この意見には反対です。

それは「一度安く請けたら、あげてって言うのが大変」と言うべきじゃないですかね。

販売は別だよ

ただしこれは消費者向けサービスをはじめ企業向けのサービスであっても、パッケージ化された商品を料金表に合わせて販売したり取引を募るようなケースはたしかに一度決めてから値上げするのは大変です。いわゆる「販売」には当てはまりません。

例えばマクドナルドのハンバーガー料金アップや、アマゾンプライムの月額料金アップ、けっこうショックですもんね。企業向けのものでも、値段が決められた商品販売の価格アップは難しい。

しかし企業との受発注において請負案件の場合、値段交渉は常に可能だと思います。B to Bは難しかったりもしますが、フリーランスなら難しい話ではありません。

個人的にも初めた時には安く請けていた仕事を自分の練度の向上や自分にしか出来ないという点をきちんと示した上で、交渉の上にあげてもらったことが何度もあります。一度や二度ではなく。同じ内容の仕事でも最終的に倍近い額にしていただいたこともあります。

何事も説明できて、納得させられるだけの内容を示すことができて、かつ相手にとって必要な存在であり続けることができれば値段交渉なんて当たり前のことじゃないでしょうか。逆にあなたの価値は停滞しているのですか?と思います。

それができない、失敗したというのは、環境に甘んじていただけで自身の敗北を認めるようなものです。
いや、それは言いすぎ?ごめんなさい。
ただ、そのくらいの覚悟でやればよいと思いますよ。

しつこいですが、飲食店のメニューやB to Bビジネスでも料金表のあるようなパッケージ化された販売については購買者心理もあるので一度決めたら値段をあげるのは難しいです。フォトグラファーで言えば、ウェディングのプラン撮影なんかをやっている場合に値段をあげるのは難しいでしょうね。それも不可能ではないと思いますが。


フリーランスは難しくないけど、常に考える必要がある

書いていて、これけっこう大切なこと書けているような気がしてきました。

自分のキャリアはフリーランスのエンジニアとフリーランスのフォトグラファーですが、専門的スキルを生業にするフリーランスを目指す方であれば多少は参考になるように書いたつもりです。

フリーランスは、専門的スキルを生業にせず、自己投資や自分の価値を高めるのに時間を割いたりすることがストレスとなるような人には向いていないと思います。仕事の時間はきっちりこなして、余暇は仕事と全く関係なくテレビやゲームを楽しんで暮らしたいという人はやめておいたほうが良いでしょうね。ただ会社員であっても手に職を持つのは非常に大切だと思いますが。

自分はフリーランスとして大成功しているわけでもなければ、SNS上でバズるような人間でもないので、恐縮しながら書いていたんですが、読んで少しでも役に立つようでしたら嬉しいです。でもなんかこいつ偉そうに書いてんなって具合に読めてたらごめんなさい。会ったら蹴飛ばしてもらって良いです。

あ〜、長くなりました。
あまり一つの記事に労力を割くのは早めに息切れするのでやめようと思っていて。最初は分割して書こうかとも思ったのですが、一つにまとめられるように、そして振り返って読んでも参考になるようにと思っていたらこんなことに。

ちなみに、たった一年弱ですが、写真業界で長く生きていくというのはかなり厳しいと感じています。幸い食べていけてはいますが、これを10年後も続けられるか?と考えると、現状維持は出来たとしても現状以上になるには機運が必要だと感じています。もちろん、継続できるように今いろいろ取り組んでいるのですが、いずれにせよ既存の枠組みの中へ純粋に入っていこうとするのは難しいとは判断しています。これもいずれ書きますね。

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